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2019年7月24日

今、目指すもの

学生時代からずっと気になっていたこと。

自分は何をしたいのか?

酪農という仕事や牛という動物に惹かれ、山地酪農という農法に行きついた。

そして今、独立を果たし社会に対して何をしたいのかを問う。

学生時代からずっと疑問に思っていたこと。

農政は戦後から今も、規模拡大こそ「優れた農業」として目指している。

しかし、規模拡大に成功しても更なる規模拡大を進め、未だにいつまで規模拡大を行えば成功と言えるかわからないでいる。また、酪農家の廃業が後を絶たない。規模拡大を進めれば進めるだけ、他の酪農家が経営的に困窮する構造は変わらない。この相対的な関係性は資本主義社会の中では当たり前の仕組みであるが、私は酪農家同士がしのぎを削り潰し合う関係性に違和感を覚えた。実際に統計を見ると、1998年から2018年の間、37400戸から15700戸に減少している。つまり一日に2戸の酪農家が廃業している計算となる。このような姿に、日本酪農はどこへ目指したら良いのだろうか、独り勝ちの世界へ突き進もうとする経済に対して疑問が止まなかった。

大学4年の夏、島根県安来市の砂流牧場を訪問する。そこで聞いたのが、「20年前(当時から)近隣の酪農家が続けて自殺していった」「だから少しでも地域が明るくなるように夏はBBQ、冬はクリスマス会のイベントを行った」というものだった。それを現在(当時)まで20年続けたという。砂流牧場の周りはお花で彩られ、バスケットゴールでは近隣の小学生が自由に遊んでいる。そんな姿を見聞きした時、【酪農】×【コミュニティ】という関係性が非常に心地よく思えたことを今も鮮明に覚えている。

そのことをヒントに、私が行いたいことは【山地酪農】×【林業】=【共生社会】

山や森が持続するためには、今の林業従事者数や農山村の衰退はご法度。しかし、現状山の仕事ができる人はいない。そこで私は山地酪農を用いて人の代わりに牛に下(舌)草刈りのお手伝いをやってもらうというもの。また逆も然り。酪農が持続するためには、冒頭でも伝えたように既存の酪農のあり方だけでは、困難を極めている。加えて、山に生える植物資源を積極的に餌として利用すると、冬場であっても笹が牛の餌となり、エサ代が0円の酪農家が存在できる。一つの産業だけでは解決できないことを組み合わせることによって、新しいスタイルが産まれる。

私は根羽村という矢作川の源流の山で牛と人々が共存している景色を見える化しようと思っている。そこには様々なイベントを催し、遊びながら学べる【Happy Mountain park】を創りたいと思っている

具体的なことは、これから一つ一つ実践し、実験しようと思う。

本当に豊かな山ってどんな山?

牛と人が共存できる関係ってどんな感じ?

持続的に農山村が生きていけるためには?

また、みんなの課題を共有しみんなで解決できらいいな。

まずは親子で楽しく遊びながら学べる野外塾をやろうと思います。