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私たちは雄牛と鶏の終生飼養に挑戦します!

チーム息吹 ~雄牛と鶏の終生飼養をはじめます

このプロジェクトについて

雄子牛の「息吹」誕生:撮影2023年2月9日

雄子牛の「息吹」誕生:撮影2023年2月9日

資金調達期間2023年3月7日~5月31日
目標資金3,000,000円
資金の使い道雄子牛(息吹、吹雪、そのほか数頭の牛)が仕事の担い手となるために必要なトレーニングにかかる人件費とトレーニング時にご褒美にあげる餌代、および鶏舎補修費用の一部

~チーム息吹誕生~

2023年2月9日。「リツ」が「息吹」(雄子牛)を産みました。

雄牛がもつ能力の新たな利かせ方を検討している最中の出産。プロジェクト名の「チーム息吹」は、彼の誕生のお祝いと共に、他牛も含めた「雄牛たちの生涯を通じて生気や活気のある日々の暮らしの実現」を目標に命名しました。
「チーム息吹」はこれから牛と鶏の終生飼養に取り組み、同時に現在畜産業界が抱える安定した餌の供給などの諸問題に取り組んでいきます。

沢から落ちて動けなくなったリツ 2021年10月撮影

~これまで~

現在の畜産動物の飼養環境は動物たちにとっては厳しい環境であることは否定できません。また、私自身が牛の生産者であることから説得力に欠けるかも知れませんが、畜産家のすべてが無慈悲なわけではありません。みな、年老いたからといって飼っていた動物を処分したくはないのですが、生かし続けるには費用がかかるので、仕方なくそうしているのです。

私も同様な考えでしたが、昨年、鶏(廃鶏)の終生飼養をすでに実践されている田中幸子さんから、終生飼養を前提とした養鶏委託のご相談を受けたことから、経済動物における終生飼養について語り合うきっかけを得ました。その田中さんから「畜産を成り立たせるには、一定期間動物を飼養して、その後は殺処分するというあり方の一択でしょうか? さまざまな方向に考えを広げ、殺処分を回避できる可能性や方法を考えてみられましたか?」と聞かれました。

田中さんが終生飼養を選択された理由はいくつかあると思いますが、話をしているうちに、現在の畜産業界における一般社会通念にただ追従している状況が続けば、やがて日本の畜産業は縮小して立ち行かなくなる時がくるのではないかという、これまで私の胸に潜在していた危機意識が呼び起されました。牛が好きでこれまでずっと牛と共に歩んできた人生でしたが、経済動物の生命の尊厳についてさらに踏み込んで考えることを忘れていたかも知れません。

これから取り組む牛と鶏の終生飼養がどのような世界に私を導いてくれるのか今はわかりません。田中さんが実践されている鶏を終生飼養する養鶏業者は世界でも数例だと聞きます。雄牛の存在価値が食肉だけという宿命から人間の良き仕事のパートナーとなる道筋ができれば、もしかしたら世界でも稀少な取り組みとなるかもしれず、それがひとつの刺激となり畜産動物たちの置かれた環境やその価値に良い影響につながればと期待しています。

~終生飼養のはじまり~

しかしながら、一時の気合で取り組めるほど終生飼養は容易ではありません。運営をどのようにしていくのかを仲間と話し合い、先ずはこれまで続けていた牛による山の下草刈りを強化して山の管理料の増収を目指しつつ、その間に雄子牛たちのトレーニングを行い、およそ2年後を目途に使役牛としてひとり立ちさせようという目標が定まりました。

牛が草を餌としていることは良く知られていますが、草食動物には他にヤギや羊もいます。しかし、ヤギや羊は草を噛むと同時に根まで引きちぎるため砂漠化が進みますが、牛は葉をそのまま優しく食むだけで葉を引きちぎることはいたしません。牛のこのソフトな食べ方は、草の根に程よい振動を与え、根に共生していて植物に栄養を供給する「菌根菌」を刺激し発達させることは分かっております。そのほか、牛のフンも山の地力をつける効果があるなど、地味な仕事ではありますが数年後には大きな成果を上げることができる将来有望な仕事です。

今年に入り、1月と2月に「雄子牛」が3頭誕生しました。一般には歓迎されない「雄牛」の誕生でしたが、わたしたちと生涯を共にする山男の相棒が誕生したと心強く感謝しかありませんでした。

両親の側で休む「息吹」 2023年2月撮影

これから、始まる雄子牛たちの2年間のトレーニング。

このトレーニングは、年中放牧の環境の中で彼らが野生化しないように導き、さらには牛が必要とされる他の仕事にも抵抗なく取り掛かれるように人と牛の信頼関係を構築することが最大の目的です。牛の見た目の穏やかさから簡単なように思われがちですが、人と種が異なる牛との本当の「信頼」は一朝一夕で築かれるものではありません。

終生飼養というこれまで経験のない世界ですが、これからの時代の畜産方法の一つとして「チーム息吹」は歩み始めます。

困難なことや、辛いことが時にあると思います。ただ、鶏の終生飼養をされている田中幸子さんが、どんな時もお客様が支えてくださいました。と話されました。今の日本からなくなって久しい「思いやり」や「やさしさ」や「希望」を、このプロジェクトを契機に得て広がっていければ、終生飼養の本質にたどり着けると思います。

「チーム息吹」は頑張っていきます。

皆さま、どうか雄子牛たちの貴重な学習期間と、鶏が穏やかな一生を送れますように、温かい応援をくださいますよう心よりお願い申し上げます。

ハッピーマウンテン代表 幸山明良
岐阜県出身、明治大学農学部農業経済学科卒


牛と鶏の終生飼養環境を根羽村につくる

日本の現状:バタリーケージ飼育

日本の現状:バタリーケージ飼育

この動画にはケージ飼いの鶏がでています。厳しい環境が映っておりますので、
ご視聴に耐えられない方はご覧にならないでください。

はじめまして。

私は鹿児島で養鶏をしております田中幸子と申します。鶏を殺処分しない平飼いの終生飼養をしており、取り組み始めてから今年で8年になります。

この度、念願でありました新養鶏場設営を幸山明良さんの活動拠点である根羽村(長野県下伊那郡根羽村 人口約830人)にてお引き受けいただくことになり、加えて牛の終生飼養も共同で奮闘することになりました。

皆さま、どうぞよろしくお願い申し上げます。

~きっかけと出会い~

本州で新たな養鶏場を設営し、関東・関西方面のお客様の送料の負担減と輸送による卵のダメージを軽減したいと3年ほど前から考えておりましたが、いかんせん畜産には畜産固有の困難な問題があります。

そのような中、養鶏場の設営可能な土地を探していただいていた方から、養鶏家ではないが牛を放牧し、山の管理をされているすごい方がいらっしゃるというお話をうかがいました。すぐに山地酪農を実践されていらっしゃるのではと思いましたが、平地の少ない日本の国土の特徴を活かしたこの酪農方法は、先人たちが筆舌に尽くしがたいご苦労の数々を乗り越えて定着させたという事を、書物を通して知っておりましたので、お聞きした方も相当なタフガイだろうと勝手にイメージをしてしまいました。

そもそも牛と鶏では飼養方法はまったく違います。ただ、なぜだかとてもこの方にとても興味がわき、直ぐにインターネットで検索し、山地酪農に取り組まれた動機や思い、現在の畜産の問題点などについて書かれた文章を読んでいくうちに、私が取り組んでいる鶏の終生飼養に通じることや、実は長野県は養鶏場の設営地として第一希望地であったことから、お聞きしたいことがたくさん生まれて、お電話をいたしました。これが幸山明良さんとの出会いになります。

~はじまり~

その後、幾度も話を交わしながら行きつくのは日本の畜産の将来のことでした。
今、畜産動物に対する世界の飼養環境は凄まじい勢いで変化しています。

例えば、2012年、EUは鶏のバタリーケージの飼育を禁止しました。さらに、卵のケージフリー宣言は世界中の企業で広がっており、メキシコ、南アフリカ、ブラジルにも広がっています。

2020年に世界動物保護協会が発表した動物保護指数では、日本は中国と同じEランク(下から3番目)、特に畜産動物に関する法規制は、Gランク(最下位)です。
日本は世界から完全に取り残されてしまいました。

経済面では、数年前にバター不足が大問題になりましたが、農業の専門家は酪農家が離農したことで生乳(乳牛から搾ったままの状態の未加工の乳)生産が減少した結果だと主張してました。その後に新型コロナの影響で需要が減って余った生乳約5000トンの廃棄が年末年始に懸念された時には、日本のリーダーと農林水産省は、家庭などで牛乳を「いつもよりもう一杯、もう一本消費」してもらうようアピールしていくためにプロジェクトを立ち上げたりと、場当たり的な政策が乱発されました。

十代から酪農家を目指してこられた幸山明良さんの目には、わずか数年で牛乳(生乳の加工品)が不足から過剰になった経緯と仕組みがどのように映ったのかと思います。

いぶき誕生

鶏の終生飼養は、養鶏を始めた当初から経営が成り立つのか、気はたしかか、ボランティアになるに違いない等々、散々いわれてきました。そして今回は、牛が加わります。(笑) どのような辛口のご意見をこれからいただくのか、予想もつきませんが、畜産動物を終生飼養できる方法、その可能性はあるという事を実践で証明してまいります。

~これから~

終生飼養で暮らす鶏たちの出自は、殺処分が決定していた廃鶏がほとんどで、その他には飼い主のご事情で飼えなくなった、虐待からレスキューされたという鶏たちで、ヒナは購入いたしません。そのようにして終生飼養した鶏が産んでくれた大切な卵を、体の未成熟な幼児に食べていただきたいという思いで、私は養鶏をスタートいたしました。養鶏を始めて7年。この7年という時間は、いかに多くの方が畜産動物の現状に対して疑問や怒り、悲しみをお持ちでいらっしゃるのかを知る時間であると同時に、「生産者側としてのあなたはこれからどうするの?」という問いを自分自身に向けることになった時間でもありました。

畜産が抱える問題にはいわゆる「不都合な真実」があることを、いろいろな立場にある方が折に触れ指摘してきましたが、政府や行政機関が問題の本質を理解し、既存の制度や枠組みを超えない以上、大きな前進となる政策を提示されることは期待できないと考えております。

幸山明良さんとのプロジェクトは、今後多くの方に日本の風土に沿ったあるべき畜産の姿と生命の尊厳の判断材料として提供することにもなります。さまざまな意味でタフな日々になると思いますが、アメリカ文学史に燦然と輝く作家マーク・トウェインが「人生で最も大切な日は、誕生日と、誕生した意味を知った日」と語ったように、この先の道は自分に与えられた使命だと思い、進んでまいります。

鶏の原種と言われる赤色野鶏や野生のウズラ,キジなどは多くても年間20個くらいしか産卵しません。しかし普段私たちが目にしている鶏は年間におよそ300個もの卵を産むのです。自分では育てられないほどの数の卵を次々と産み続けられるように長い時間をかけて人間が作り上げた生物。それが、今の鶏です。

産卵のピークを終えていわゆる廃鶏と位置づけされた鶏を迎えるたびに、これからゆっくり体を休めて欲しいという願いがあるのですが、思いは叶わず2~3年の間に亡くなる鶏が多いように見受けます。

今回、幸山明良さんに廃鶏を受け入れてもらい終生飼養をしていただくことになりました。長野県根羽村は、森の中に村が内包されているような大自然の中にあります。鶏には、その自然豊かな環境の中で自由に過ごし、天寿を全うして欲しいと願っています。

私どもの卵を購入していただいているお客様には、鶏の劣悪な飼養環境や処分の方法を知って衝撃を受けて以来、スーパーで売られている卵を食べられなくなった方が多くいらっしゃいます。しかし、終生飼養の鶏が産んだ卵であれば大丈夫かもしれないと思って卵をお届けした後に「25年ぶりに、卵かけご飯が食べられました。生涯卵は食べられないと思っていました。」という喜びのお声をいただいたことがあります。

鶏の現実に衝撃を受けて傷つかれたお客様の心の傷を癒したのは、処分を逃れ第二の鶏生を寿命まで生きている鶏たちの姿。人間の力では決してありません。

そして、このことが終生飼養の本質であったのだと今は思っています。

これから、牛と鶏の終生飼養が始まります。彼らの生きる姿を通して畜産動物の現状への関心が高まっていけば、いつか必ず畜産の状況に変革を求める大きな声になると信じています。そこに手が届く事を願い、私たちは前を見て歩みを進めてまいります。

これからも引き続きよろしくお願いいたします。

牛と鶏の終生飼養の取り組みを、どうかご支援くださいますようお願い申し上げます。

ありがとうございました。

田中幸子
東京大学大学院薬学部中退。製薬会社の研究職、
通販会社の役員を経て現在にいたる。

ヒヨコ時代の「はじめて君」
「はじめて君」青年期。幾度も挑戦してボスの座を狙いましたが、残念
現在11歳。「はじめて君」の横にいつも寄り添う、さつま黒鳥

 

息吹:2023年2月9日撮影

ご支援のお願い

この度は、「牛と鶏の終生飼養」の取り組みにご関心をお寄せいただき、心より御礼を申し上げます。

今回のプロジェクトの最大の課題は、雄子牛を仕事の担い手として育成することです。しかし雄子牛の期間は牛の生涯で最も心身が発達する時期であり、この大切な時期に人とのふれあいや食餌の不足があると、人間との良好な信頼関係が築けません。

そのようなことから雄子牛のトレーニングには、これまで幸山の生活を支えていた畜産以外の仕事を休み、しっかりと時間をかけて臨んでいきます。さらに複数頭の雄子牛のトレーニングには、新たなスタッフに参加してもらいサポートしていく必要もあります。その人件費の捻出や鶏舎の補修費用の負担が、今後かなりのしかかってくると予想され、じっくり考えた末、皆様方からのご支援をお願いしたいという結論にいたりました。

昨今、さまざまなものが値上がりする中でとても心苦しいのですが、「チーム息吹」のプロジェクトをしっかりと立ち上げるために、雄子牛(息吹、吹雪、そのほか数頭の牛)が仕事の担い手となるために必要なトレーニングにかかる人件費とトレーニング時にご褒美にあげる餌代、および鶏舎補修費用の一部を皆様にご支援賜りたくお願い申し上げます。

なお、ご支援いただきました方にはささやかではございますが、ご返礼品をご用意させていただきました。どうぞご笑納ください。

本日は、「チーム息吹」のために貴重なお時間に割いてくださり誠にありがとうございました。

ハッピーマウンテン代表 幸山明良
PIPPI代表 田中幸子